DAMSの採点方法

  1. DAMSの特徴
  2. DAMSの構成
  3. DAMSの実施方法
  4. DAMSの採点方法
  5. DAMSの信頼性
  6. DAMSの妥当性 (1)構成概念妥当性
    (2)一般成人群、心身症群、精神疾患群の各尺度得点の差
    (3)DAMSのカウンセリングでの変化
  7. 引用文献

4. DAMSの採点方法

 採点をするときは、検査用紙左下のノリ付のすきまから、重なっている用紙をはがす。1枚目の裏が「DAMS結果表」となっており、2枚目が「DAMS採点用紙」となっている。

 各回のDAMSは質問項目がランダムに並べ直されているため、DAMS採点用紙で各項目の○のついている数字を右の□に記入する。9項目すべて記入したら、縦方向に3つずつ数字を合計し、下の合計欄に肯定的気分得点、抑うつ気分得点、不安気分得点を記入する。

 次ぎに、これらの合計得点を1枚目の紙の裏にある「DAMS結果表」に転記して、肯定的気分と抑うつ気分、および不安気分がどの程度であるかを確認する。

 肯定的気分と抑うつ気分、および不安気分のそれぞれの該当回数の、さきほど算出した合計得点の数字に○をつける。「DAMS結果表」の左端にある数字は、標準化得点であり偏差値と同じである。つまり、標準化得点が高くなればなるほど、その気分が強いことを示している。標準化得点では50が平均であり、1標準偏差以内の40~60は普通程度である。40~60よりも、下の39以下はその気分が弱く、61以上はその気分が強いことを示している。そのため結果表では、肯定的気分では39以下の肯定的気分が弱い範囲と、抑うつ気分と不安気分では61以上の強い範囲を、要注意の範囲としてグレーにしている。また、○をつけた得点を各気分ごとに折れ線グラフのようにつなげると、各気分の変動が一目瞭然となるので、気分ごとに○をつけた部分を折れ線グラフのようにつなげていかれることをお薦めする。

 ところで、所見欄の参考には「うつ病性障害と不安障害においては、肯定的気分の合計得点が7点以上であれば不安障害である確率が高く、6点以下である場合にはうつ病性障害である確率が高い。」とかいてある。これは、うつ病性障害の患者と不安障害の患者の患者を比較すると、肯定的気分に差が認められ、このように分類すると医師の診断結果と約75%の一致が認められたためである。つまり、DAMSでは過去2~3日間の気分に限定して測定しているため、うつ病性障害と不安障害で差が認められるほど十分に持続的な抑うつ気分は測定していないのである。実際DAMSの抑うつ気分の合計得点、うつ病性障害の患者23名の平均で15.1であり、不安障害の患者31名の平均で14.0と、ほとんど差がないのである。そのため、抑うつ気分の標準化得点が高くても、うつ病性障害とは限らないことにご注意願いたい。

ページのトップへ戻る