DACSの採点方法

  1. 認知療法
  2. 抑うつと不安の認知行動モデル
  3. DACSの構成
  4. DACSの実施方法
  5. DACSの採点方法
  6. DACSの信頼性と妥当性
  7. 引用文献

5. DACSの採点方法

 採点をするときは、検査用紙左下のノリ付のすきまから、重なっている用紙をはがす。1枚目の裏が「DACS(否定的な自動思考)標準化得点換算表」となっており、2枚目が「各尺度の単純合計得点算出用用紙」となっている。
 まず、2枚目の「各尺度の単純合計得点算出用用紙」で、10項目ずつの単純合計を算出し、その結果を将来否定合計、脅威予測合計、自己否定合計、過去否定合計、対人脅威度合計のそれぞれの下の□の欄に記入する。

Table 2 DACSの各尺度の単純合計得点算出用用紙

 次に、将来否定合計、脅威予測合計、自己否定合計、過去否定合計、対人脅威度合計の各得点を、1枚目の裏にある「DACS(否定的な自動思考)標準化得点換算表」の上部の合計得点欄に転記する。そして、その合計得点に該当する下の換算表の得点の数値に○をつけ、折れ線グラフのようにつなぐ。○をつけた合計得点の欄を左に見ていくと、左端に標準化得点が示されているので、上部の標準化得点欄に各尺度の標準化得点を記入する。

 以上の手続きがすんだところで、検査結果を見ながら所見欄に被検査者の自動思考の特徴などを記入する。次のページに、「Fig. 3 DACS(否定的自動思考)偏差得点換算表の記入例」を示した。所見欄の記入にあたっては、「Fig. 2 抑うつと不安の自動思考と気分との関係」の認知行動モデルを参考にしながら、被検査者の自動思考の特徴を考えていくと記入しやすい。また、被検査者の自動思考の特徴がわかれば、どのような自動思考の変容が必要であるかがおのずと明らかになる。

Fig 3 DACS(否定的自動思考)標準化得点換算表の記入例

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