それでは、「自己否定」の自動思考についてです。
 
これまでと同様に、 「私には自慢できるとりえがない」について例を示しますので、要点をノートにとっておいてください。それを参考に、後で17〜20まで同じように検討してみてください。
 

「私は他人に自慢できるとりえがない」

 

こう考えていて得な点

◇得な点はないが、そうだと感じる。

 

こう考えていて損な点

◇こう考えていると、憂うつになりやすい。

◇どうせだめだと思って、とりえを作ろうと努力しなくなってしまう。

◇ひっこみじあんになってしまう。

 

この考えを支持すること

◇これまで、自慢できることがなかった。

 

この考えを支持しないこと

◇人間にはいろいろな側面があり、すべての側面について自分より優れている人と比較すると、とりえがないことになってしまう。しかし、客観的に考えると、自分にもそれなりにそこそこいいところもある。

◇人から私のある点をほめられたこともあったが、自分を卑下して、そんなことはありませんよと言ったことがある。しかし、それは客観的に見るともしかすると私の取りえなのかも知れない。

◇人のとりえの客観的な基準なんて存在せず、みんなそれぞれ自分なりに自尊心を持って生きている。とすると、私も自分なりに自尊心をもっていきていた方が憂うつになったりせずいいし、そうしてかまわないのにしていなかった。

 

体系的な推論の

◇客観的にはそこそこちゃんとやっているのに、自分にはとりえがないと結論する「恣意的な推論」という推論の誤りをしていた。

◇自分のいい点を見ず、悪い点ばかり見るという「誇張と矮小化」の推論の誤りをしていた。

◇自分にもそこそこいい点もあるのに、そこそこではだめだとするような「絶対的で二者択一的思考」という推論の誤りをしていた。

 

合理的な自動思考

◇私にも、それなりによい点がある。人間だれしも完璧ではないので、完璧である必要はない、そこそこよければそれでよい。

 

それでは、以下の17〜20についてノートに検討してみてください。

 

「私は無能だ」
「私には才能がない」
「私は自信がない」
「私は自己主張できない」